束子フロンティアの生活

ゲームブログ・束子ダイナミック(https://towersea255.hatenablog.com/)のサブブログです。生活と冒険。

退職についての覚え書き⑥ 国民健康保険・国民年金に加入せよ

ー前回のあらすじー

雇用保険により、定期的な求職活動&勤務実態の報告と引き換えに、2ヶ月の待機期間と3ヶ月の生活保障=計5ヶ月分の自由時間(フリータイム)を手に入れた束子フロンティア。手続きはつつがなく進行していくが、考えることは山積みで……。

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会社を辞めたあとに必須の手続きとして、健康保険と年金の切り替えがある。本当は雇用保険より優先度の高い手続きなんだが、雇用保険が申請が早いほど受給開始が早くなるのに対して、こっちは退職後14日以内にすればよいので今回は後回しにしました。ただし後述する注意点があるので、こちらを先にする方が実は無難ではある。

特に健康保険については、退職時に会社で加入していた健康保険を脱退し、保険証を返却することになるため、一時的に保険証が無い状態になっていると思う。この状態で病院に行く羽目になると一旦全額自己負担になったりと面倒なので、早めに国民健康保険への加入を済ませよう。自分は近く通院予定があったので、よく晴れた平日に市役所まで自転車を走らせた。

ただし、2024年12月から健康保険証がマイナンバーカードに統合されたため、今国保になると、保険証そのものは貰えず、物としては手持ちのマイナカードを使うことになる。一応、機材トラブルなどでカードが読めなかったとき用の証明として紙ペラ一枚だけ貰えた。ただ直近で色んな病院にかかった経験上、マイナ保険証が使えない病院や調剤薬局は一つもなかったので、とりあえずそんなに心配はなさそう。

ちなみに国保に移行ではなく会社の保険を「任意継続」するという手もある。自分の場合は高額だったので使わなかったが、扶養者がいる場合は任意継続が安いこともあるらしいです。年金は選択肢なく、国民年金一択です。

持っていくもの

自治体にもよるので、お住まいの市町村のHPのそれっぽいページを確認してください。

手続きでは退職して会社の健保・厚生年金から脱退したことを証明する必要がある。ここで「退職証明書」が活躍する。会社が独自で発行できる書類だが、黙ってても出てくるものではないようなので、退職前に要求しておこう。雇用保険の手続きで必要だった「離職票」でも代用できるが、これはハロワで回収されるので、先にハロワに行くと提出できない。だから退職証明書が必要だったんですね。

あとは「マイナンバーがわかるもの」「本人確認書類」。この二つはマイナンバーカードがあれば兼用できる。それから年金手帳などの「基礎年金番号がわかるもの」。年金手帳も廃止されたらしいんだけど、無かったら振込票とかの紙ペラを探す必要がありそう。こういうのは廃止しない方がいいと思うな……。

手続き自体は市役所の窓口に行って渡された書類に記入するだけなので難しいことはなかった。保険と年金の手続きをまとめて行ってもらえて、たらい回しにされることもなかった。

1月半ばごろから今年度分の払込票が届くので、コンビニなどで払っていけばよい。口座振替やクレカ決済に切り替えることも可能。

……問題は支払う金額である

このように手続きはなんてことないのだが、問題は払う方だ。国民年金全員共通で16,980円/月国民健康保険は前年度の収入によって異なるのだが、まあ似たり寄ったりの金額でした。額面としては給与天引きされてた分と大差ないんだが、引いたあとの金額を手取りとして認識していたので、実質丸々増えたような感覚で、なかなかの負担感だ。

国民健康保険、なんとかならんか

実はハローワークでの雇用保険受給認定時に、会社都合の退職だけでなく、自己都合でも特定理由での退職と判定されてると国保の保険料が大幅に軽減される制度があるらしい。詳細は「国民健康保険税+軽減+(お住まいの市町村)」などで検索すると出るようです。

ここでハロワが絡んでくるのか! 特定理由離職者って雇用保険の待機期間や受給期間に影響するだけじゃなかったのか。不覚ながらこれは市役所で教えてもらって初めて知った。

いずれにしても今回の退職経緯だと認定は(微妙に惜しくも)難しそうだったが、病気や怪我など働けなくなった以外でも、例えば異動で仕事内容が変わった、通勤が難しい土地への転勤を言い渡されたなどのタイミングで辞めたなら特定理由に該当しそうではあった。なるほど、正社員はしばしば会社に振り回されるけど、意外にも国からは救済措置がある!

これは……もし知ってたら、会社から通達があったときの「じゃあ辞めてやる!」って選択肢の後押しになったかもしれないですね。知っておくといい情報だ。

国民年金、なんとかならんか

年金の方は最大で2年分まで前納が可能で、結構な割引がある(2年分を口座振替で16,590円引)。途中で脱退した場合には払い戻しもしてもらえるそう。ただ、2年分だと40万円近くの一括払いになるのと、半年くらいで厚生年金に戻る可能性もあるので悩ましい……今悩んでいます。

国民年金保険料の前納

 


 

別記事にするほどの分量なさそうなので、ついでにここに書いてしまうが、退職に際してなんと退職金が出ることが判明した。会社が「中小企業退職金共済」というのに加入しており、なんか毎月積み立てが行われていたらしい。一応雇用契約書に記載があったのだが、全く認識していなかったのが情けない。

退職金請求手続きの流れについて|退職された方(退職金を請求する従業員)|中小企業退職金共済事業本部(中退共)

退職金の請求には、会社から貰った請求書にもれなく記載し、「マイナンバー入りの住民票」「写真付き身分証のコピー」「通帳のコピー」を同封し、「特定記録郵便」などで送付……嘘だろ、これが一番必要書類が多い上に面倒くさい!

その分金額もそれなりなので、きっちり請求しておきました。私は郵便局が好きなので大丈夫です。

 


 

さて、これでしばらく無職生活ができる土台は整った。

しかし、しばらくは貯金でどうにかなるとはいえ、最終的には何かしら働かないといけないだろう。フリーランス一本で食っていく覚悟が決まったとも言い難い。せっかく体が空いているので、新しい仕事をして知見を広げたいという気持ちもある。勤務時間が短くていい感じの仕事が見つかれば、どこかに雇用されながらフリーランスとしても活動することも視野に入ってくる……。

もしかすると次回あたりでこのシリーズは一旦終了し、新シリーズ「職業訓練受講日誌」が始まる可能性がある。え?自由な時間は??

退職についての覚え書き⑤ 失業保険を貰いたい(後篇)

ー前回のあらすじー

失業保険の給付には色々と条件があるが、結構な金額になるし当面の生活を考えると是非とも貰いたいところ。果たして副業しながら「フルタイムはちょっと」とか思ってる人でも貰えるのか。

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ということで色々調べてはみたんだけど、給付中の就業なんかについては結局のところ個別判断となるようで、ハローワークで直接聞いてみないことにはハッキリとは分からず。そしてこのたび、有給消化が終わって晴れて無職状態となったので、実際にハローワークに行って確認してきた

ただ、個別判断ということはハローワーク支部や担当者によっても判断が異なる可能性があるので、例によって参考程度で見ておいてください。

認定日に注意

これ受給予定の人向けの注意なんですが、求職状況の申告のためにハロワに足を運ぶ必要のある「失業認定日」は向こうで日付指定してくる。余程のこと(冠婚葬祭)がなければずらすことができず、そして申込日から正確に何日後になるのか微妙に分からない。待機期間が7日だから初回は7日後なのかと思ったら、そうじゃなくて3週間ちょっと後とかよく分からんタイミングだし……。

だから失業認定前に旅行とか予約しちゃダメですよ。まあしてたんだけど(幸いセーフ)。良い子のみんなは有給消化中に行っとくか、認定日が確定してから予約しましょう。コンサートのチケット取ったりも気を付けた方がいいね!

失業保険は副業やアルバイトをしてても貰えるのか?

雇用保険の加入要件(週20時間以上で1ヶ月以上継続)を満たさない仕事なら、給付を受けながら働くことは可能である。

ただし仕事をした場合は、ともかく絶対に「働いた日と時間を正確に申告」しなさいとのこと。働いた時間や給料が多い場合は、給付が先送りや減額になることがある。

  • 一日4時間以上なら「就労」扱い→その日は支給なしで、受給期間内なら繰り越し
  • 一日4時間未満なら「内職・手伝い」扱い→一日あたりの収入額が「離職時賃金日額×0.8-基本手当日額+1354円」を上回った場合には上回った分だけ減額(たぶん)。

条件を見てお気付きかもしれんが、これはつまり

減額されるくらいなら4時間以上働いて持ち越した方がいい

ということのようです。ハロワの職員もぽろっとそんなこと言っていたのでたぶん間違いない。受給期間は通常1年あるので、大体の人は数日~数十日くらい持ち越しても貰いはぐれることにはならないはず。

離職時賃金日額を高めに10000円としても、基準額は3000円ちょっと。最低賃金だと3時間とかで上回るので、これ以下で抑えられるのは本当に趣味的な仕事で収入が少ない場合だけ……つまりそれが「内職・手伝い」ということなんだと思います。

時間給ではなく成果報酬で自由に稼働してる場合はどうなるの?

すべて実際の作業時間ベースに置き換えての判断となるとのこと。4時間未満の場合は、報酬を作業した日数で割って1日あたりの収入額を算出する。つまり作業をした日と作業時間を記録しておき、自己申告する必要がある

事業の内容についての書類を書かされて、「収入額を確認するので業務委託契約書を持ってきて」とまで言われたのはちょっと驚いた。厳密~。

一つの案件で、5時間作業した日と3時間作業した日があったら?

すげーややこしくなる。5時間の日は先送りになるとして、3時間の日の分は減額対象となるかの計算をすることになるが……時間ベースで割って出すしかないのではないかということだった。例えば合計5時間+3時間+2時間=計10時間作業して報酬が10000円だったとしたら、5時間の日は除いて「2日で5000円」分として申告する。

4時間未満なら毎日のようにやってても大丈夫なの?

これは特に問題ないらしい。ただ、主に就職活動をしているはずの人なので、あまり働きすぎてると「本当に就職する気あります??」と疑念を持たれる可能性がありそうな雰囲気。

失業保険はパートタイムでの就職希望でも貰えるのか?

これは駄目そうで実はOKです。さっきと逆で、雇用保険の加入条件を満たす仕事を探していれば大丈夫。うっかりそれ以下の条件(週3の4時間とか)で希望を出すと突っ込まれるのかもしれない。

 


 

しかし、ともかく貰う紙の多いこと……。大事な手続きなら紙がもっとも万人に分かりやすく、目に見えて確実だというのは分かるんだけどね。退職の手続きだけで、会社員生活5年分くらいの枚数の書類を触っているよ。

次回、「国民健康保険国民年金加入編」で更に紙が貰えるぞ! やったぜ。

退職についての覚え書き④ 失業保険を貰いたい(前篇)

ー前回のあらすじー

辞めるのは大変だけど、終わりが決まるってのは気分が良いもんだ。

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会社員というのは基本的に全員*1雇用保険」に加入しており、保険料として毎月給料の0.006%(一般の事業/令和6年度)を支払っている。まあ千円~数千円。健康保険や年金に比べれば安いもんですわね。

雇用保険の加入者が失業した暁には、「雇用保険の基本手当」――いわゆる「失業保険」が貰える場合がある。

参考:雇用保険制度 |厚生労働省

以下、主だったところだけつまんでいるので、繰り返しになるが、今まさに貰おうとしてるって人は各自調べてくださいね。

受給条件

ハローワークインターネットサービス - 基本手当について

  1. 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
  2. ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。

1年は働かないと貰えないというのはまぁ分かるとして、ふたつめでは「意思」が問われている。ちょっと意外なのが、病気などですぐに働けない場合もNGとなる。あくまで求職活動中の生活費としての給付ということなんですかね(傷病手当という制度があるので、実質同額が給付されるということなのかもしれないが)

支給額

今まで貰っていた給与額(保険料などを引く前)の、45~80%にあたる額が支給される。この%(給付率)は給与が低かったほど高くなる。最低保証が2,295円/日で、上限額は年齢によるけど7,065円~8,635円/日。

参考として、大体このくらいの金額になるとのこと。

  • 月額15 万円程度の場合→支給額は月額11 万円程度
  • 月額20 万円程度の場合→支給額は月額13.5 万円程度
  • 月額30 万円程度の場合→支給額は月額16.5 万円程度

Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~について紹介しています。|厚生労働省 (Q10

 

肝心の給付率の正確な計算式については、PDFしか見つからず。→雇用保険の基本手当日額が変更になります(PDF)

まず過去6か月間の賃金を日割りにする(賃金日額)。これに給付率を掛けたものが一日あたりの支給額(基本手当日額)となる。

80%と50%のパターンは表を見れば分かるので掛けるだけだが、大体の人は真ん中の賃金日額が「5,200円以上12,790円以下」に収まってるんじゃないだろうか。そのレンジの計算式がこれ。

y=0.8w-0.3{(w-5,200)/7,590}w

※y=基本手当日額 w=賃金日額

急にyとw出てきてびっくりだよ。もっと分かりやすく書けるだろ。

基本手当日額=0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-5,200)÷7,590}×賃金日額

こうだよね? 給付率80%の金額から下振れ分を減算してるのは分かる。5,200がこのレンジの最低金額だから、そこから増えたぶんだけ減算分も増える。その先はさっぱりです。理系の名折れだ。

まあともかくこれを計算すると、このレンジの基本手当日額は4,160円/日~6,395円/日となるようです。

給付日数

ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数

給付日数は、離職理由と加入期間に応じて変わる。

自己都合退職だと、10年未満なら90日、10年以上20年未満で120日、20年以上が150日となる(2024年12月現在)

会社都合の場合には年齢も関係してきて、20年間働いた45歳以上60歳未満が急にリストラされたなら、なんと330日。す、凄い。

給付制限期間

ただしこれ、自己都合退職だとすぐに給付開始されないんですね。共通の7日間の待機期間に加えて、2か月間の給付制限期間がある(2024年12月現在)。これ何の意味があるんだ? 2か月分のニートが増えるだけでは?

ということでこの制限期間は徐々に減っており、2020年に3か月から2か月に改正され、2025年の4月からはなんと1か月に減るらしいです。

再就職手当

ハローワークインターネットサービス - 就職促進給付

ここまでで「じゃあ就職活動を引き延ばして満額貰った方が得じゃん?」と思うのだが、向こうもそこは重々分かっているようで、再就職手当というものがある。

支給日をまとまった数残して就職したときに、貰えるはずだった手当の一部をまとめて回収できる、という制度である。3分の2以上残っていれば残り分の7割。3分の1以上なら6割

就職したら給料も貰えるし、早く就職した方が総じて得ですよ、という体裁になっている。今の居住地から遠い会社に就職した場合は、引っ越し代まで出ることがあるらしい。

まあ、全額回収はできないので、額面でいえばやっぱり引き延ばした方が得なんですけどね。自由な時間も貴重だし。めちゃくちゃ理想的な求人を見つけたとかいう場合はその限りではないと思いますが。

職業訓練

ハロートレーニング|厚生労働省

ハロートレーニング(職業訓練)について|東京労働局

厳密に決められている給付日数と給付制限期間だが、実は抜け道がある。職業訓練を受けると、入学と同時に給付制限期間が解除され、即時給付が開始されます。しかも訓練が終わるまで給付日数が延長される。更に受講日には受講手当として一日500円がプラスされる。負担は教科書代などの実費のみで、授業料は基本無料*2。ボーナスステージ?

ただし、給付金目当てでちょろっと通えるほど甘い物ではなさそうだ。週何回の習い事レベルではなく、平日毎日を3か月から2年間のコースであり、分野も限定されている。本当にやりたかったり必要なものがある、もしくは本当に手持ちのスキルが何もない場合にって感じですかね。

また、入校のタイミングは決まっているので「じゃあ明日から」ってものでもないようだ(1月度の申込は11月には終わっていた)。後ろに引き延ばす場合でも、入校時に給付日数がある程度(3分の1くらい)残っていないといけないという条件もある。タイミング次第か。年単位のコースを狙うなら、退職時期も逆算して決めるくらいしないとダメなのかも。

(2024/12/27 追記)

ハロワで話聞いてきて、追加調査したので補足。長期のコースだと、4月開講で12月末~1月始めごろが募集期間になるものが多いようなので、今はとっても良いタイミングらしいです。

「公共職業訓練」には主に二種類がある。国が運営している「ポリテクセンター」や各都道府県の「職業能力開発センター」が開講している「施設内訓練」は、自動車整備とか施工とか電気工事とか、職業訓練のイメージ通りの「手に職」系がメイン。民間の学校の指定講座に通える「委託訓練」は、介護士、保育士、社会福祉士、栄養士、美容師、あとIT系などの(国家)資格取得を狙っていけそうだ。

あとは基礎~応用的なIT・事務スキルの取得を主な目的とした「求職者支援訓練」というのもある。後述するが、これは元々離職者ではない人向けの制度だったものが、離職者にも適応拡大されたものらしい。

ただ、いずれにしてもその資格なり学習した分野において就職を目指すことが受講の前提となっている。

教育訓練給付

教育訓練給付制度|厚生労働省

職業訓練に受けたい科目がないんだけど?という人向けにも、指定された民間の講座の受講費用の20%~80%を補助する制度がある。

条件を満たせば基本手当支給終了後の受講中、基本手当の80%の給付金が貰える制度もある模様。→Q&A~専門実践教育訓練給付金~|厚生労働省 (Q23)

(2024/12/27 追記)

国家資格の取得を目指す講座や専門学校から、英会話スクールのTOEIC対策みたいな軽めの講座まで幅広く対象で、費用の給付割合の高い順に、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の三種類に分けられている。

ちなみにこの対象講座はさっきの「職業訓練の民間委託訓練」とも一部重複しており、より広く適応されてるって感じのようだ。プログラミング系とかは手に職でもあり資格でもありITでもあるので、もう全部にある。全部探してください。

番外編:求職者支援制度

求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

雇用保険との同時受給は無理だが、月10万円貰いながら職業訓練に通えるという制度もあるらしい。こちらは雇用保険の加入者でなくても対象、つまりフリーランスから就職を目指す場合とかにも利用できるみたいです。雇用保険の受給終了後もOK。前述の求職者支援訓練は元々これ向けの講座だった模様。

ただし収入額と貯金額に制限があったりと、10万円給付の条件は割と厳しめ。そりゃそうか。給付なしで、職業訓練だけ無料で受けるということもできるようです。

 


 

で、ここからが本題で、自分が本当にこれ貰えるのかなんだけど、もうめちゃくちゃ長くなってるので次回に続く。

*1:「1週間の所定労働時間が20時間以上」で「31日以上の雇用見込みがある」「労働者」なら全員

*2:これは有料の科目もあるという意味で、課金があるって意味じゃないです。破壊された日本語。

退職についての覚え書き③ 辞めるのに必要なもの

ー前回のあらすじー

働きたくない人にとって一筋の光、フリーランスという働き方を学んだ束子フロンティア(生活できるかは別として)。下調べはこの辺で十分として、身体を壊す前に早く会社を辞めるぞ!

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正社員というのは恐ろしいもので、未来の時間を永遠に差し押さえられ続ける仕組みなんですよね。一つの仕事が終わったとしても、当然のものとして次の仕事の人員にカウントされ続ける。辞めるということは、どこかでそれを反故にして振り切る必要があるので、結構なエネルギーが要るし、多かれ少なかれ周囲に迷惑をかけることになる。

実際、辞める段取りが決まるまで――上司や同僚に退職の意向を伝えたり、退職日の交渉をしたり、ワンオペしてた仕事の引継ぎを考えたり――は相当憂鬱だった。本当に追い詰められていたら、こんなことはとてもやっていられないだろう。退職代行の存在意義が分かる。

正規雇用の「簡単には解雇されない」という就業者から見たメリットは多大だけど、お互いに継続と終了をフラットに比較して、完全に後腐れなく終わらせられるタイミングがある契約社員の方が健全なんじゃないかとも思ってしまう。

 


 

このブロックはすべて愚痴なんですが、この前提において会社が社員に「キャリアプランを提示せよ」などと言うのは欺瞞だろうと思う。

キャリアという点で、会社のやらせたいことと社員のやりたいことは必ずしも一致しない。一致しないことの方が多いだろう。会社は仕事に対して人員をアサインするのだから、社員個人の希望はどうしたって二の次だ。社員の方だって本音を言えば「仕事覚えたら転職して給与アップ狙います。この会社は踏み台」ということもあり得る。お互いへの希望を伝えて、できる限り応える、それ以上のことはできないのだから、あまり個人の人生に踏み込むべきじゃない。お互いに都合の良い虚像と期待だけが膨らんで、現実とのギャップに失望するだけの時間の無駄だ。

 


 

……話が逸れた。そういう訳で、辞めるのって結構大変。必要なのは面倒を乗り越える「余力」です。あと「表向きの退職理由」です。別に大嘘でなくても正直ベースでいいんだけど、「居る理由がなくなった」とか「時間の無駄」とかいう角の立つ理由は省いた方がいいと思う。ここは半匿名だからってやりたい放題だぜ。まあこれでも書いていないことも色々あるんだが。

全ての段取りが決まったら、あとは前向きに辞めるのだという雰囲気を出し、可能な範囲で残件を片付け、丁寧に引継ぎをして、お世話になりましたと挨拶をしてまわることで、なんとなく生暖かい空気にして退社することに成功した。あんなにギスギスしてたのに!これは円満退社と言ってよいのでは?

しかし各所に挨拶していると意外なほど温かい反応を貰うことがあり、それはとても嬉しかった。こういうことを普段からやる「他人と関係を築くという仕事」ってあるんだなというのが、実感として分かる。「この人に頼みたい」のようなファクターは馬鹿にできないというか、実際そういう信頼関係において仕事がスムーズに進むことは多い。

よく言われる「営業と開発の軋轢」みたいな話かもしれないけれど、

「礼儀?上下関係?目の前の成果を良くするのが全てだろ!」みたいな仕事のやり方もそれはそれであるし、シビアに成果を求められるような仕事では、逆にそうやって風通し良く意見を交わしていかないと生き残っていけないだろうと思っている。

どちらもアリだけど、両方同時に求められると辛い。そうやって混乱して、振り回されてしまっていたんだなぁとも思う。どこかに正解があったのだろうか。

 


 

ということで辞めるのは結構大変ではあったのだが、いざ終わりが決まったらなんだか気分もすっきりして、これはたぶん良い選択をしたなと思った。自分にとっては、終わりの見えない仕事は思ってた以上にストレスになっていたようだった。

もし、期間が決まっていることで張り合いを保って働けるなら、「フルタイムで短期間の仕事」と「完全な無職」を繰り返すみたいな生活もできなくはないのかな。漁師みたいだな。

次回、手続き編につづく。

退職についての覚え書き② 業務委託という働き方

ー前回のあらすじー

転職サイトの溢れんばかりの勤労意欲に打ちのめされて撤退した束子フロンティア。そこに現れたのは「業務委託」という甘い言葉だった!

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※今回は色々と定義とか法律の話が出てくるが、私の理解によるざっくり解釈なので、正確に知りたい人はちゃんと調べてね。

 


 

業務委託の仕事で生活する。いわゆるフリーランスというやつだ。

フリーランスの定義については、公式的にはこの辺りが詳しい。

www.mhlw.go.jp

定義:実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者

例えば、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や
知識、スキルを活用して収入を得る者」が他に雇用契約の下で働く場合に、当該雇用
契約における業務を行うときの雇用主との関係では、本ガイドラインにおける「フリ
ーランス」とはしない。一方で事業者との業務委託契約(請負契約や準委任契約)だ
けでなく、消費者を相手に物品やサービスを販売する者については、本ガイドライン
における「フリーランス」としている。 

▲「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(PDF)」より

会社員との大きな違いは雇用ではないということで、個人事業主として、企業とは業務の発注と納品(遂行)をする対等な関係になるということですね。仕事をする時間と場所を拘束されない代わり、雇用保険には入れないし、発注がなければ報酬も発生しない。

その中でも特に、ネットを介して遠隔で業務を行う就労形態のことを「自営型テレワーク」と呼ぶらしい。あんまり聞いたことないけど……。

www.mhlw.go.jp

遠隔といえば、スタバでMacBookを開いて何かしてる人たちこと「ノマドワーカー」にもおそらくフリーランスが多いと思われる。こちらは業務委託に限らず、広告収入や有料コンテンツを直接エンドユーザーに売って暮らしている人も多いのではないだろうか。

ちなみにノマドというのは遊牧民nomad)のことで、ロマサガ2ノーマッドと同じ職業ですね。

CHARACTER - アルタン&ファティマ(ノーマッド) - | ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン │ SQUARE ENIX

たぶん弓の扱いとかも得意なんだと思う。あこがれちゃうな。

 


 

で、とりあえずその業務委託の仕事をやってみることにしました。会社が副業OKだったので。

結果どうだったかというと、割と最高だった。締め切りさえ守れば好きな時間に仕事ができるし、終わらせれば終わる。発注元と良い意味で距離があるので、仕様・要件もしっかり固まった状態で貰える。業務内容としても美味しい部分を任せてもらえて、雑務や交渉や背中から刺されるなどの面倒事もない! 兼業でもやれるくらいなんだから、会社員を辞めたら自由に時間が使える理想的な生活が実現できそうだ。*1

問題はやはり報酬だ。仕事の供給量は取引先次第だし、単価もまぁ安い。少なくともこの案件だけで暮らすのは現実的ではなく、やるならもっと取引先を増やしてバチバチにスケジュールを組み、作業時間としてはフルタイム並かそれ以上に取る必要があるだろう。そうやって本格的に「事業」をするとなると、個人事業主として「開業」することになるらしい。何だか大それたことになってきたな。

 


 

条件や契約面についても見ていこう。この辺りも全部自分で確認しないといけないのが面倒なところです。*2

さっき引用したPDFの別添資料が、フリーランスの契約書のサンプルになっている。3000~5000字のコラムが5万円って良い仕事だなー! いや、高めに例示しておくことで牽制になるに違いないから、もっと高く書いておいていいですよ。100万円とか。

著作権周りで言うと、そもそも会社員として企業に所属して仕事として何かを作っている場合には、著作権は企業のものになる(法人著作)。雇われクリエイターの宿命である。

業務委託では著作権の譲渡を行わず、用途を限定した「許諾」となることもあり、この場合は自分に著作権が残る。ただ、業務委託においても著作権の「譲渡」が行われるパターンもごく一般的なようだ。

著作権(財産権)の譲渡

著作権(財産権)は著作物の発表や販売の権利。これ使ってご自由に商売してもらって構いませんので、ということだ。

著作者人格権の不行使

著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)は譲渡できないもので、死ぬまで作者だけの権利。のはずなのだが、上とセットで不行使の約束をすることがある。権利の本来の趣旨から外れているとは思うが、行使されると利用タイミングや改変に制限がかかるため、困るよなというのも分かる。

*参考:著作者にはどんな権利がある? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

また、実績の公開不可という条件も存在したりする。本来なら「この仕事を私がやりましたよ!」とXくだりでアピールするとフォロワーが300万人くらいになって続々と仕事が舞い込み、単価は爆増、半年後にはブルジュ・ハリファの展望レストランでワイングラスを傾けているはずなのだが、そういう営業ができなくなってしまうので、これは少し残念。

個人的には、指示されて作ったものは最初から半分自分のものではないし、あとは好きにしてくれというスタンスなのでこの辺は全然構わないのだが、こだわりの強い人はこの手の規定がある仕事は向いていないのかもしれない。

これも個人的な所感だが、クリエイティブ系の分野を仕事にするために第一に必要なのは才能よりも「依頼や需要に粛々と応えられる能力」なんじゃないかという気もしている。「エロは食える」と昔から言うしな。これは逆に言うと、大天才じゃなくても食える可能性があるという希望でもあるので、まあ、悪い話でもない。

 


 

ということで、業務委託の仕事は素晴らしい。しかしこれで生活できるかというと、かなり不安が残る。というごく当たり前な結論となった。

今なんとなく考えていることとしては、「パートタイムと業務委託の兼業」にすると、メリットとデメリットを補い合えて肉体と精神のバランスを保ちやすいんじゃないだろうか?ということだ。どっちも最低賃金レベルだと、生活するには結構頑張らないといけなさそうではあるが……。

ここからはやりながらぼちぼち考えていくとして、方向性は見えてきたので、本腰入れて退職を目指すことに。しかし辞めるのも結構大変なんですよねー。つづく。

*1:一応注釈しておくと、これまでの仕事の実績が提示できる状態にあったので、あくまである程度の経験者向け案件の話である。広告でよく見かける「完全未経験からフリーランス」みたいなやつではない。

*2:まあ、会社員でも雇用契約書はちゃんと確認したほうがいいけどね! 退職を機に見直してみたら、びっくりするほど把握してなかったので反省した。

退職についての覚え書き① 転職サイトってどうなんだ?

ー前回のあらすじー

会社を辞めることにしたけど、正直もう働きたくないぞ!しかし働かなければ生きられない。どうにか程々だけ働きながら生活ができないものか。

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どうもこんにちは、もうすぐ無職になる人です。

前回はほぼお気持ちだったので、今回から本格的に内容に入っていく。本格的な内容……あるのか?

そもそも何故この「退職についての覚え書き」を始めたかというと、一つには今後の指針を定めるための思考整理として。これから色々なことを決めていかないといけないと思うので。

もう一つには、退職に伴う手続きやなんかで具体的に何をしたのかを後から確認するための備忘録として。

そして最後に、会社を辞めたらどうなって、後にどういう選択肢があるのかというサンプルケースとして参考になるんじゃないかなと思ったからです。自分自身、そういう情報知りたいんだけどあまり見つからないんだよね。

ただし現状でも大して目途が立っていないので、どう着地するのかは全く分かりません。「私はこれで上手く行きました!」と言えればよいが「全然生計が成り立ちませんでした!」「貧乏暇なしで逆に忙しくなっちゃいました!」で終わる可能性もある。スーパーリアリティショー。

 


 

最近、転職サイトの広告が本当に多いですよね。職場でYouTubeを見てるとしょっちゅう出てくる(職場でYouTubeを見るな)。会社を辞めるならファーストチョイスは転職サイトを介しての転職、という認識も既に一般的なんじゃないかと思う。

ということで転職の機運が高まってきた初夏ごろに情報収集も兼ねて、dodaに登録していたんですよ。今いる業界に特化した転職サイトもあるんだけど、別業界も考えてみたかったので、とりあえず一番でかそうで網羅的なところで。

掲載数も多いし、フォームを埋めれば応募書類も完成してしまうし、手続きのあれこれや選考に関するノウハウ、適職診断みたいなコンテンツ類も充実していて、一見すると転職の全てがここにあるようにも見える。ただ、しばらくやり取りをしたり求人内容を見たりしていると、思ったより狭いというか、限られた選択肢に誘導されているような印象も受けた。

 


 

まず、登録した瞬間から電話とメールでアホほど凸が来て転職エージェントとの面談を促してくる*1。まぁ色々聞きたい話もあったので、ありがたく面談させてもらうことにした。

で、分かったことがいくつかある。

まず、転職サイトとしてのdodaと転職エージェントサービスとしてのdodaは、別のサービスとして縦割り運用されているらしい。しかし(おそらく意図的に)求人は同列に表示される。転職サイトの方はタウンワーク等と同じく本当にただ載せているだけで、数やバリエーションは多いがdoda側でのサポートはしてくれない。エージェントサービスの方はエージェントが間に立って紹介や仲介をしてくれ、大手や優良そうな企業が並んでいるが、絶対数は少ない。

Q. 週4や一日7時間以下の仕事ってある?

A. 少ない。最近はフルリモートも減ってきている。あっても事務職とかなので、キャリア的にどうか。時短勤務制度はあくまで育児や介護のための一時的なものであり、永続的な時短勤務を取り入れている企業はほぼ無い。

Q. 辞める前に転職活動するか、辞めてから転職活動するか?

A. 仕事しながらがおすすめ。空白期間3か月くらいから厳しくなってくる&決まらないとだんだん期間が増えていってますます不利になる悪循環になる。

Q. 転職ってどんなふうに進めるの?

A. ちょっとでも興味があれば応募依頼しよう。応募書類も汎用でOK、多少条件を満たしてなくてもOK。比較検討するために30社くらい一気にアプローチするのがベター。

30社!

なるほど。つまりここは、しっかり働くことはまず前提として、手持ちのスキルと希望条件からシステマティックに手早く内定を獲得(あわよくばキャリアアップ)するための場所なのだ。有用性は分かるし、たぶん条件が合えば使えるサービスなんだと思うが、自分と利害が一致してるかどうかはよく考えた方がよさそうだ。

転職サイト・エージェントの利用は無料だ。無料で使えるサービスの商品はお前…なんて話もあるように、彼らはたぶん企業側から報酬を貰っているんですよね。彼らとしては求職者をどんどん紹介してどこかの企業に高値で「売れて」いってほしいはずなので、基本的に応募を促す方向に働きかけてくるのは当然。

後で書くと思うが、国の制度である失業保険(雇用保険の基本手当)は明らかに「一度辞めてからじっくり就職活動」を前提とした制度になっている。自己都合退職でも給付期間は90日~150日、これに2か月の給付制限期間を合わせれば、半年近くも猶予があるのだ。となると、働きながら効率重視で次を決めるやり方より、こちらがむしろ王道なのでは?とも思う。

ということで、自分としてはちょっと今は違うかなと距離を置いている。一度始めたら、あれよあれよとちょっと良い感じの企業に就職させられてしまいそうな予感もした。こんな社畜だらけの場所に居られるか!俺は自分の部屋に帰らせてもらうぞ!

 


 

しかしdodaとの邂逅が無駄だったかというとそうではない。ここのエージェントサービスに掲載されているということは、中途採用にコストを払う気のあるちゃんとした企業だってことが、ある程度保証されてるということでもある。こういう会社がこういう募集をしてるのだなという概観をかなり知ることができた。

その公式サイトを巡回した先に道はあった。転職サイトには掲載がない職種も、自社サイト上では募集されていることがちょいちょいあるのだ。

《業務委託/フルリモート/勤務時間自由》
……ほう!

続く。

*1:余談だが、前に留学エージェントに資料請求をしたときと全く同じ手法だった。エージェントの人ってみんなそうですね!私たちのことカモだと思ってるんですか!?

退職についての覚え書き⓪ 生活を求めて

結構長く勤めた会社を退職することにした。

理由としては「続ける理由がなくなったので」ということになる。魅力的な業務内容、居心地の良さ、労働条件の良さ、良い仕事をしたら評価される期待とか、そういうのが年々なくなっていき、さすがにもう頑張ってここに残る理由はないなあ、という結論になってしまった。消極的退職だ。

しかしまぁ、このまま同じ会社にダラダラ勤め続けるのも勿体ないような気がしていたし、いい機会なのだと思う。無茶振りの場数だけは踏んできたので、職務経歴書はなんだか光り輝いている(気がする)。これを武器に、もっと気持ち良く仕事のできそうな会社に転職だ!

と、最初は思っていたのだが。

 

いや……働きたくねぇな。全然働きたくない。

 


 

コロナ禍で在宅勤務になったとき、通勤がなくなったり家事がしやすくなって、ずいぶん時間に余裕ができた。仕事では無難なものばかり作ってフラストレーションが溜まっていたので、仕事では絶対作れないような、好き勝手な話でも書こうと思った*1

参考資料が必要になったので、市民図書館でカードを作って、本をよく読むようになった。既存の創作物を焼き直すよりは現実を元ネタにするのがよかろうと、海外のドキュメンタリーとかをよく見るようになった。そうこうするうち、目の前の仕事以外の世界で起きていることにも目が向くようになっていった。

 


 

今の仕事を選んだのは、このためだったら働ける、と思ったからだ。そこで働いている人のことは尊敬してたし、仲間になりたいと痛切に願っていた。他の仕事は続けられる自信がなかったから、完全に一本に絞って、業界の片隅に潜り込むことに成功した。

仕事は楽しかった。最初のうちは終電まで残業したり、夢の無い話ばかり見聞きしたが、そういうのも含めて楽しかった。こんなので給料貰っていいのかなという程に。だから今の会社を辞めたって、場所を変えて同じ仕事を続けるのは選択肢として全然ある。

でも正直なところ、前ほどこの仕事に絶対的な価値を感じなくなっていた。これにしか価値はない、と思っていたけど、たぶんそうではなかったのだろう。楽しければそれでいい、とも思えなくなっていた。界隈にありがちな、見たくないものは見なければいい、と現実を歪めてしまう態度には嫌気が差してさえいた。

今、自分はもっと「生活」がしたいと思っている。ずっと見ないでいた現実を拾い集めて、ちゃんと見てみたい。毎日皿を洗って暮らしたい。自分が知らないことを知ってる誰かと話がしたい。行ったことのない場所に行ってみたい……。それに価値があるのかないのかは分からないが、今までまともにやっていなかったのだから、少なくともやる意味はあるはずだ。だからこの新しいブログの名前は「生活」だ。

 


 

もうちょっと実際的な話として、出社勤務に戻ってからフルタイム労働での生活に無理が出てきているというのもあった。元々体力はない方で、以前のように若さと気合で無理もできない。働いた日は帰ってご飯食べて寝るので精一杯だ。寝るというか倒れるというか。

それと……めちゃくちゃお金が余っていた。年収はたぶん低い方だけど、それでもだ。節制思考(と書いてケチと読む)な独身の一人暮らし。生活スタイル的にフルタイム正社員の給与は多すぎる。それより今は時間が欲しい。

だったら、生活における労働の割合を減らせばよい、ということになる。

でもあるのか? そんな仕事。

一通り調べた限りでは、今までの仕事――つまり、ある程度の責任と裁量をもって段取りから進めていくような仕事――の延長線上にはない。もしくは非常に少ない。というのが結論だった。

 

ではどうする。続く。

*1:仕事としての「無難で不快でない」ものの追求にはこだわりがあるので、それが嫌って訳でもないんだが