束子フロンティアの生活

ゲームブログ・束子ダイナミック(https://towersea255.hatenablog.com/)のサブブログです。生活と冒険。

退職についての覚え書き③ 辞めるのに必要なもの

ー前回のあらすじー

働きたくない人にとって一筋の光、フリーランスという働き方を学んだ束子フロンティア(生活できるかは別として)。下調べはこの辺で十分として、身体を壊す前に早く会社を辞めるぞ!

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正社員というのは恐ろしいもので、未来の時間を永遠に差し押さえられ続ける仕組みなんですよね。一つの仕事が終わったとしても、当然のものとして次の仕事の人員にカウントされ続ける。辞めるということは、どこかでそれを反故にして振り切る必要があるので、結構なエネルギーが要るし、多かれ少なかれ周囲に迷惑をかけることになる。

実際、辞める段取りが決まるまで――上司や同僚に退職の意向を伝えたり、退職日の交渉をしたり、ワンオペしてた仕事の引継ぎを考えたり――は相当憂鬱だった。本当に追い詰められていたら、こんなことはとてもやっていられないだろう。退職代行の存在意義が分かる。

正規雇用の「簡単には解雇されない」という就業者から見たメリットは多大だけど、お互いに継続と終了をフラットに比較して、完全に後腐れなく終わらせられるタイミングがある契約社員の方が健全なんじゃないかとも思ってしまう。

 


 

このブロックはすべて愚痴なんですが、この前提において会社が社員に「キャリアプランを提示せよ」などと言うのは欺瞞だろうと思う。

キャリアという点で、会社のやらせたいことと社員のやりたいことは必ずしも一致しない。一致しないことの方が多いだろう。会社は仕事に対して人員をアサインするのだから、社員個人の希望はどうしたって二の次だ。社員の方だって本音を言えば「仕事覚えたら転職して給与アップ狙います。この会社は踏み台」ということもあり得る。お互いへの希望を伝えて、できる限り応える、それ以上のことはできないのだから、あまり個人の人生に踏み込むべきじゃない。お互いに都合の良い虚像と期待だけが膨らんで、現実とのギャップに失望するだけの時間の無駄だ。

 


 

……話が逸れた。そういう訳で、辞めるのって結構大変。必要なのは面倒を乗り越える「余力」です。あと「表向きの退職理由」です。別に大嘘でなくても正直ベースでいいんだけど、「居る理由がなくなった」とか「時間の無駄」とかいう角の立つ理由は省いた方がいいと思う。ここは半匿名だからってやりたい放題だぜ。まあこれでも書いていないことも色々あるんだが。

全ての段取りが決まったら、あとは前向きに辞めるのだという雰囲気を出し、可能な範囲で残件を片付け、丁寧に引継ぎをして、お世話になりましたと挨拶をしてまわることで、なんとなく生暖かい空気にして退社することに成功した。あんなにギスギスしてたのに!これは円満退社と言ってよいのでは?

しかし各所に挨拶していると意外なほど温かい反応を貰うことがあり、それはとても嬉しかった。こういうことを普段からやる「他人と関係を築くという仕事」ってあるんだなというのが、実感として分かる。「この人に頼みたい」のようなファクターは馬鹿にできないというか、実際そういう信頼関係において仕事がスムーズに進むことは多い。

よく言われる「営業と開発の軋轢」みたいな話かもしれないけれど、

「礼儀?上下関係?目の前の成果を良くするのが全てだろ!」みたいな仕事のやり方もそれはそれであるし、シビアに成果を求められるような仕事では、逆にそうやって風通し良く意見を交わしていかないと生き残っていけないだろうと思っている。

どちらもアリだけど、両方同時に求められると辛い。そうやって混乱して、振り回されてしまっていたんだなぁとも思う。どこかに正解があったのだろうか。

 


 

ということで辞めるのは結構大変ではあったのだが、いざ終わりが決まったらなんだか気分もすっきりして、これはたぶん良い選択をしたなと思った。自分にとっては、終わりの見えない仕事は思ってた以上にストレスになっていたようだった。

もし、期間が決まっていることで張り合いを保って働けるなら、「フルタイムで短期間の仕事」と「完全な無職」を繰り返すみたいな生活もできなくはないのかな。漁師みたいだな。

次回、手続き編につづく。