ー前回のあらすじー
雇用保険により、定期的な求職活動&勤務実態の報告と引き換えに、2ヶ月の待機期間と3ヶ月の生活保障=計5ヶ月分の自由時間(フリータイム)を手に入れた束子フロンティア。手続きはつつがなく進行していくが、考えることは山積みで……。
会社を辞めたあとに必須の手続きとして、健康保険と年金の切り替えがある。本当は雇用保険より優先度の高い手続きなんだが、雇用保険が申請が早いほど受給開始が早くなるのに対して、こっちは退職後14日以内にすればよいので今回は後回しにしました。ただし後述する注意点があるので、こちらを先にする方が実は無難ではある。
特に健康保険については、退職時に会社で加入していた健康保険を脱退し、保険証を返却することになるため、一時的に保険証が無い状態になっていると思う。この状態で病院に行く羽目になると一旦全額自己負担になったりと面倒なので、早めに国民健康保険への加入を済ませよう。自分は近く通院予定があったので、よく晴れた平日に市役所まで自転車を走らせた。
ただし、2024年12月から健康保険証がマイナンバーカードに統合されたため、今国保になると、保険証そのものは貰えず、物としては手持ちのマイナカードを使うことになる。一応、機材トラブルなどでカードが読めなかったとき用の証明として紙ペラ一枚だけ貰えた。ただ直近で色んな病院にかかった経験上、マイナ保険証が使えない病院や調剤薬局は一つもなかったので、とりあえずそんなに心配はなさそう。
ちなみに国保に移行ではなく会社の保険を「任意継続」するという手もある。自分の場合は高額だったので使わなかったが、扶養者がいる場合は任意継続が安いこともあるらしいです。年金は選択肢なく、国民年金一択です。
持っていくもの
自治体にもよるので、お住まいの市町村のHPのそれっぽいページを確認してください。
手続きでは退職して会社の健保・厚生年金から脱退したことを証明する必要がある。ここで「退職証明書」が活躍する。会社が独自で発行できる書類だが、黙ってても出てくるものではないようなので、退職前に要求しておこう。雇用保険の手続きで必要だった「離職票」でも代用できるが、これはハロワで回収されるので、先にハロワに行くと提出できない。だから退職証明書が必要だったんですね。
あとは「マイナンバーがわかるもの」「本人確認書類」。この二つはマイナンバーカードがあれば兼用できる。それから年金手帳などの「基礎年金番号がわかるもの」。年金手帳も廃止されたらしいんだけど、無かったら振込票とかの紙ペラを探す必要がありそう。こういうのは廃止しない方がいいと思うな……。
手続き自体は市役所の窓口に行って渡された書類に記入するだけなので難しいことはなかった。保険と年金の手続きをまとめて行ってもらえて、たらい回しにされることもなかった。
1月半ばごろから今年度分の払込票が届くので、コンビニなどで払っていけばよい。口座振替やクレカ決済に切り替えることも可能。
……問題は支払う金額である
このように手続きはなんてことないのだが、問題は払う方だ。国民年金は全員共通で16,980円/月。国民健康保険は前年度の収入によって異なるのだが、まあ似たり寄ったりの金額でした。額面としては給与天引きされてた分と大差ないんだが、引いたあとの金額を手取りとして認識していたので、実質丸々増えたような感覚で、なかなかの負担感だ。
国民健康保険、なんとかならんか
実はハローワークでの雇用保険受給認定時に、会社都合の退職だけでなく、自己都合でも特定理由での退職と判定されてると国保の保険料が大幅に軽減される制度があるらしい。詳細は「国民健康保険税+軽減+(お住まいの市町村)」などで検索すると出るようです。
ここでハロワが絡んでくるのか! 特定理由離職者って雇用保険の待機期間や受給期間に影響するだけじゃなかったのか。不覚ながらこれは市役所で教えてもらって初めて知った。
いずれにしても今回の退職経緯だと認定は(微妙に惜しくも)難しそうだったが、病気や怪我など働けなくなった以外でも、例えば異動で仕事内容が変わった、通勤が難しい土地への転勤を言い渡されたなどのタイミングで辞めたなら特定理由に該当しそうではあった。なるほど、正社員はしばしば会社に振り回されるけど、意外にも国からは救済措置がある!
これは……もし知ってたら、会社から通達があったときの「じゃあ辞めてやる!」って選択肢の後押しになったかもしれないですね。知っておくといい情報だ。
国民年金、なんとかならんか
年金の方は最大で2年分まで前納が可能で、結構な割引がある(2年分を口座振替で16,590円引)。途中で脱退した場合には払い戻しもしてもらえるそう。ただ、2年分だと40万円近くの一括払いになるのと、半年くらいで厚生年金に戻る可能性もあるので悩ましい……今悩んでいます。
別記事にするほどの分量なさそうなので、ついでにここに書いてしまうが、退職に際してなんと退職金が出ることが判明した。会社が「中小企業退職金共済」というのに加入しており、なんか毎月積み立てが行われていたらしい。一応雇用契約書に記載があったのだが、全く認識していなかったのが情けない。
退職金請求手続きの流れについて|退職された方(退職金を請求する従業員)|中小企業退職金共済事業本部(中退共)
退職金の請求には、会社から貰った請求書にもれなく記載し、「マイナンバー入りの住民票」「写真付き身分証のコピー」「通帳のコピー」を同封し、「特定記録郵便」などで送付……嘘だろ、これが一番必要書類が多い上に面倒くさい!
その分金額もそれなりなので、きっちり請求しておきました。私は郵便局が好きなので大丈夫です。
さて、これでしばらく無職生活ができる土台は整った。
しかし、しばらくは貯金でどうにかなるとはいえ、最終的には何かしら働かないといけないだろう。フリーランス一本で食っていく覚悟が決まったとも言い難い。せっかく体が空いているので、新しい仕事をして知見を広げたいという気持ちもある。勤務時間が短くていい感じの仕事が見つかれば、どこかに雇用されながらフリーランスとしても活動することも視野に入ってくる……。
もしかすると次回あたりでこのシリーズは一旦終了し、新シリーズ「職業訓練受講日誌」が始まる可能性がある。え?自由な時間は??